2018年1月29日月曜日

希少性の原理

人は希少なものには価値があると、
自働的に判断します。

希少価値です。

心理学では『希少性の原理』といいます。

セールスの場面では
一つの承諾誘導テクニックとして
この原理を利用します。

希少性の原理を使う場合の
テクニックとしては3つです。


◆ 個数限定

角地はあと○個しかありませんよ、
のようなことです。


◆ 期間限定

4月30日までの限定キャンペーンです、
のようなことです。


◆ 心理的リアクタンス

妨害に反発する心理のことです。

ロミオとジュリエット効果とも言われます。

ダメと言われると逆に思いが
強まっってしまうあまのじゃくな心理状態です。

本気じゃない人は絶対に買わないでください!
というセールス文句がこれに当たります。


セールスでは、この3つを巧みに
組み合わせて成約に結び付けます。


さらに+αとして次の3つの
テクニックを組み合わせると
さらに強力になります。


『フィア・アピール』

人は快楽を求め、苦痛をさける生き物です。

そして、快楽を求めるよりも
苦痛から逃れる行動の方がパワーが強いです。

たとえば、禁煙することを勧める場合、
寿命が延びることを伝えるより、
ガンになるということを伝える方が
効果が高いということです。


『今まで簡単に手に入ったものが手に入らなくなる』

心理学の実験では、最初から希少なものより、
これまでは制限されてなかったものが、
新たに制限されたものの方に、より価値がおかれる、
という結果が得られています。


『競争』

人は他人と競い合っているときに、
希少価値のあるものに惹かれる傾向があります。


東日本巨大地震後、
カップめんやトイレットペーパーなどの
食品や日用品が売り切れとなりました。

それでもスーパーやドラッグストアでは
多くの人だかりでした。

当時、メーカーは『供給能力は十分』
と言っており、過度の買いだめを控えるよう
訴えているにもかかわらず、です。

人は、理性的に考えず自動的に
行動してしまうことがたびたびあります。


ものを買おうとするときは、

あなたの買おうとしているものが本当に必要なものなのか、
それとも希少性の原理の圧力によっての短絡的な行動なのか、

まずは興奮を抑え、冷静になって判断してみると
よいのではないでしょうか?










2018年1月25日木曜日

目線の動きによる読心術2

            無心

    嘘       |      追憶

        \        /

拒否   ―     黒目     ―   拒否

        /        \

  当惑(理性)    |     困惑(感情)

            服従



自分から見た相手の目線の方向が示す心理です。

たとえば、自分から見て左上に目線があるとき、
相手は嘘をついている可能性が高いということです。

セールスにおいては、
クロージングした瞬間の一瞬で判断します。

目線が下ならクロージング成功です。

沈黙を守り、期待して返事を待ちましょう。




2018年1月24日水曜日

目線の動きによる読心術1

人の心が読めればどんなに
素晴らしいことでしょうか。

コミュニケーションが楽になりますよね。

営業をするうえで、相手が何を
考えているかが即座に分かれば、
的外れな提案をしなくてすみます。

さて、読心術の一つに、
目線から思考を読むテクニックがあります。

人の目の神経は脳の思考領域と
ダイレクトにつながっており、
様々なシグナルを発信しています。


目線が上 → 見えるものについて考えている。

目線が下 → 感情や感覚について考えている。

目線が左 → 想像上のこと、未来のことについて考えている。

目線が右 → 過去のことについて考えている。


これだけです。

応用も簡単で、目線が左上なら未来や想像上の
見えるものについて考えているのです。

人の目に注意するようになると
驚くほどはっきりとこの動きが分かります。

さらに、目線の動きと発する言葉に
矛盾があれば、ウソを付いていることを
見破ることもできるのです。

目は口ほどにものを言うのです。




2018年1月23日火曜日

人が人を好きになる理由

同じ商品で同じ価格、
同じ信頼度の人からだったら、
好きな人から買います。

人は、同じ商品であれば、
見ず知らずの信頼できるセールスマンより、
ちょっとくらい高くても
自分の両親や友達から買います。

『好意』『仲間意識というのは
セールスにおいてとても重要です。

『客と仲良くなれ!』とか
『セールスはは自分を売ることだ!』と言われますが、
その意味とは、『好意のルール』の力の強大さを
上手く利用することなのです。

あなたを好きになるのはなぜか?

社会心理学において、
人が人を好きになる理由は5つあります。


1、外見

社会科学者が『ハロー効果』と
呼ぶものがあります。

1つ良い(悪い)ところがあれば
全部良く(悪く)見えるという
心理作用のことです。

外見がかっこいいと、
賢く誠実に見え、
外見がかわいいと、
性格もよく見えるのです。


2、類似性

人は、自分に似ている人を好みます。

日本人だから、アメリカ人や
フランス人より日本人が好きです。

これを応用したテクニックが、
『ミラーリング』です。


3、お世辞

私たちは他人からの称賛を信じます。

それが真実でなくても、です。


4、親近性

良く知っている人を好きになる、
ということです。

セールスマンがが、こちらが聞いてもいない
自分の昔話をいきなりしだしたり、
しつこいくらい何回も訪問してきたり
するのはこのためです。


5、連合の原理

強力な原理であり
広く応用されています。

美人モデルとバイク、のような
写真を見たことありますよね。

人は無意識のうちに美人の魅力を
バイクの魅力と感じてしまいます。

CMには、有名タレントが起用されています。

オリンピックがあれば、
オリンピックに関連付けた
商品が発売されます。

心理学者グレゴリー・ラズランが研究した、
「ランチョンテクニック』
というものがあります。

昼食を食べながら交渉するとうまくいく、
というテクニックです。

これは、食事と交渉事の連合なのです。

人間の本能に食欲があります。

だから人間にとって食べ物は魅力的です。

するとなぜか、食べているときの交渉内容も
魅力的にかんじてしまうのです。


セールスにおいては、人に好かれるというだけで
相手のイエスを引き出すことができるのです。




2018年1月22日月曜日

コミットメントをとる

人は、軟弱で、優柔不断で、
軽はずみで、不安定な人・・・
と思われたいとは思っていません。

だから人は、自分の主義主張を
一貫させようとします。

一貫している人は、合理的で、確かで、
信頼のおける健全な人だと思われます。

そう思われたいと思っているのです。

自分の体裁のために、
立場を公にすればするほど
その立場を変えることが
困難になってしまうものなのです。

立場を公にする、
これが『コミットメント』 です。

そして、立場を公にすると、
その立場に沿った行動を取らざるをえなくなる。

これが 『一貫性の法則』です。

セールスでは相手に、この商品が欲しい!という
立場を表明してもらいさえすれば、
相手はそのコミットメントに従い
購買行動を起こすのです。

それが、たとえ本心から欲しいと
思ったものでなかったとしても、です。

売れるセールスマンは、
一貫性の法則がいかに強力かを知ってます。

立場を公にするコミットメントの中で
特に強力なのが『書く』ということと
『ハンコを押す』ことです。

これには魔術的な力があります。

『書く』ということについては、
こんな話があります。


朝鮮戦争時、多くのアメリカ兵は、
中国共産党が管理する捕虜収容所にとらえられました。

そこで、捕虜のアメリカ兵は、
中国に好意的意見をノートに書かせました。

書かない人には、中国に好意的な文章を
ノートに写させました。

これによって、アメリは兵は
自分の書いたこととの一貫性を保つような
考え方や行動をするようになりました。

意見を文字にして書く、ということは、
あなたがこう書いたのですよ、
という証拠が残るということ。

取り消しの効かない証拠として、
目の前に残るのです。

さらにこれは、他人を説得する証拠にもなります。

このノートは、あなたの同僚たちが書いたんですよ、
こんな風に考えているんですよ、
というように他人をも説得できる材料になるのです。


セールスにおいてアンケートや
仮申し込み書などに執拗にサインを求めるのは、
一貫性の法則が強力であるが故なのです。




2018年1月21日日曜日

何でもできる、では分からない

セールスの初回面談で
客の警戒心がなかなか解けず、
テクニックを使うような心の余裕も
無いときがあります。

そんなとき、ついつい

『何でもお手伝いさせていただきます!』

と言ってしまったりしませんか?

少しでも次回面談につながるように
セリフを少しだけ変えてみましょう。


変えるのは『何でも』というところです。

この『何でも』をもっと具体的にするのです。


『たとえば、こんなお手伝いが出来ます。
先日のお客様は○○について、
お手伝いさせていただきました。
みなさん、気になるところは同じみたいですね。
あなたはどうですか?
よかったら資料お届けしましょうか?』


ちなみに、具体的なお手伝い方法を
伝えるというのは、セールスレターや
DMなどでも同じです。

『何でもご相談ください!』
ではなく、もっとわかりやすく具体的に何ができるのかを
相手に伝えていきましょう。





2018年1月20日土曜日

一貫性の法則

有言実行。

主張と行動が一貫していること、
それは合理的で、誠実で、
人格的に優れていると思われます。

主張と行動が一貫していないと、
裏表があり、行き当たりばったりだと
思われます。

人には、人から一貫していると
見られたい欲求があります。

もちろん私たちの生活の中で
重要なことであり、高い価値があります。

『一貫性の法則』という心理作用があります。

人は、一度自分の立場を表明すると
それに従ってしまうという心理作用です。

セールスにおいても、一貫性の法則は
強力に作用します。


一貫性の法則を働かせるために
不可欠なことがあります。

それは相手に『コミットメント』させることです。

相手に商品が欲しいと言う立場を
公にしてもらうことなのです。

心の中で思っているだけでなく
公言させること、コレが重要です。

逆にいうと、心の中であまり思っていなくても、
立場を明確にしてもらうと
一貫性の法則により相手に
行動してもらうことが出来るのです。


こんな心理学の実験があります。


協力者が海水浴にいきます。
海水浴場はとても賑わっています。
マットを敷き荷物を置きます。
しばらくして荷物から離れます。

すると置き引きが荷物を持って
立ち去ろうとします。

この場合、置き引きを引きとめた
海水浴客は20人中4人だけでした。


ところが、協力者が海水浴客に
『荷物を見ていてもらえませんか?』
とひとこと頼み承諾してもらった場合は、
20人中19人が置き引きを引きとめました。

置き引きを引きとめる、
というような厄介なことなのに、
90%以上の人が協力的に行動してくれたのです。

これは、荷物を見ている、
と承諾した自分に対して
一貫性のある行動を取ろうとする
働きの証明となりました。

『コミットメント』により、
人の行動の幅は狭まってきます。

どんな方法であっても、相手にこの商品が
欲しいという立場を明確にしてもらうことができれば、
一貫性の法則により、自動的に成約へと進んでいくのです。




2018年1月19日金曜日

ドア・イン・ザ・フェイス

人はよく考えて行動しているようで、
実は何も考えていません。

怠け者でめんどくさがりです。

だから、人は思考や行動をパターン化します。

ステレオタイプや経験則などで
考えずに行動できるよう自動化するのです。

たとえば、朝起きたら『おはよう』と言います。

この時何か考えてますか?

あなたのイメージする博士や医者は、
白衣を着ているはずです。

『安いもの=質が悪い』と
パターンで考える傾向にありますよね。

様々なことを考え、選択し、行動しなければならない
人間社会の中で、できるだけ間違いを少なくし、ストレスなく、
ラクに動けるよう、私たちは気付かないうちに
小さいころから人間社会のルールを叩き込まれているのです。

セールスでは、人の自動的・固定的行動パターンを
利用したテクニックがあります。

その一つが、心理学で言われている
『返報性の原理』 です。

『返報性の原理』とは、
『何かもらったらお返ししなければならない』
という心理作用のことです。

年賀状をもらったら返すというのが
わかりやすい例えでしょうか。

セールスでは、試食や試着、
無料お試しキャンペーンなどに
利用されています。

人は生き残るために、このような
ギブアンドテイクの文化を
形成したと言われています。

武器や道具を作る技術を与え、
食料をもらう。

このような大昔からの相互依存の文化によって、
受けた恩義には必ず報いなければならないという
義務感が生まれました。

さらに、お返しをしない人は恩知らず、
自分勝手と蔑まれ嘲笑の的となりました。

返報性のルールは、守らないと
社会的不承認を得ることになるのです。

セールテクニックにおいては、
この返報性の原理を応用した
『ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック』
が有名です。

最初に大きな要求をし、それを拒否させた後、
それより小さな本来の要求をするというものです。

返報性の原理を応用したこのテクニックが
利かないわけがありません。

大きな要求から小さな要求に変更したことで、
相手に『譲歩』を与えることが出来るのです。

こちらが譲歩したのだからあなたも譲歩してください、
ということです。

相手は、一度断った罪悪感、
譲歩してもらった恩義、
譲歩させたことへの満足感を得ます。

また、大な要求と小さな要求を
比較することによって、
小さな要求がより小さく見えるという
『コントラストの原理』の
心理作用までもが働きます。

結果として本来の要求へ
自動的に承諾してしまうことになります。


セールスは断られて(断らせて?)からが勝負です。

そしてこれは、精神論や根性論ではなく
テクニックなのです。




何をミラーリングするのか?

ミラーリングとは、相手の無意識の
行動のマネをして、潜在意識に仲間意識を
抱かせるテクニックです。

無意識に働きかけるため、とても強力です。

しかし、相手の外側に潜在意識が出ているときでなければ、
気持ち悪がられる可能性があります。

重要なのは、無意識行動への同調です。


無意識行動の代表的なものは『クセ』です。

「なくて七癖」とよく言われますが、
人には様々なクセがあります。
手癖、口癖などもそうです。

パソコンのキーボードのエンターキーを強く押すクセ、
話を聞く時のうなづきや相槌のクセ、
立っているときの体重のかけ方、
指をポキポキ鳴らすクセ、首をまわすクセなど
本当いろいろあるのです。

そして、そのクセには、
クセと認識してやっていることと
そうでないことがあります。

セールスにおいて見つけなければいけないのは、
相手が気付いていないクセです。

どんな人にも必ずあります。

しっかり相手を観察し、
何気ないクセを見つけましょう。

ミラーリングは、あくまで無意識の行動に
対してすることがポイントなのです。





2018年1月17日水曜日

あなただけのセールストーク

心理学で『カラーバス効果』という言葉があります。

特定のことを意識すると、
それに関する情報ばかりが
集まってくるという心理作用です。

パチンコ好きの人は、
目印をパチンコ屋にします。

マイホームを検討している人は、
自分が好みの外観の家を目印にします。

人は、視覚入ってきた情報を
脳で見ているのです。

人間の脳には『網様体賦活系』という
神経の束があります。

これには、今自分が重要だと認識していることと
そうでないものを無意識に選択する機能があります。

さらに、視覚から入ってきた情報だけでなく、
聴覚、身体感覚、味覚、嗅覚からの
情報も選択しています。

ということは、客と話をしているときに、
その内容が全く関心のない話だった場合、
客の網様体賦活系によって情報が
遮断されてしまうことがあるのです。

セールスの場面では、客に今伝えている情報に
意識を向けさせなくてはなりません。

意識を向けさせる方法について、
次の2つのことを話に盛り込むことで
意識をコチラに向かせることが出来ます。

それは『興味性』と『反社会性』です。


◆興味性

お客様に興味性を盛り込むためには、

『認知的不協和』
『ツァイガルニク効果』
『ストーリー』

を使うことが有効です。


『認知的不協和』とは
『アンバランス』ということです。

バランス悪いな、ミスマッチだな、
と感じることは相手の興味を引くことができます。


『ツァイガルニク効果』とは
『中途半端』 ということ。

メタ●●ックのように隠されてたりとか、
実は、このことより重要なことあるのです!
のように続きが気になる状態のことです。

『ストーリー』とはそのものズバリ
『物語』です。


◆反社会性

たとえばヤフーニュースなどで
「下着泥棒」「浮気」「虐待」「女子高生」
「猥褻」「奴隷」などの言葉があったら
ついついクリックしてしまいませんか?

会社や商品のイメージを損なわず、かつ
反社会的性質の言葉を投げかければ
その情報に相手は意識を向けます。


あなたの言葉によって、客は
あなたの商品を意識することになります。

大事なこと確実に伝えるために、
相手の意識をコチラに向けるその一言が
あなただけのセールストークとなるのです。




2018年1月15日月曜日

メリットとデメリットと?

片面呈示と両面呈示については
コチラで触れました。

セールスにおいて基本的には
デメリットもしっかりと伝えることになります

しかし、時にそのデメリットは競合他社に突かれ、
致命傷にもなりかねません。

自社商品について相手を説得するのではなく、
納得してもらわなければならないのです

説得するとは、自社商品が
どれだけ素晴らしいかを説明することであり、
納得してもらうとは、自社商品によって得られるものを
イメージしてもらうことです。


さて、メリットとはなんでしょうか?

メリット(merit) → 利点、長所

たとえば、食器洗い乾燥機をオススメするとして、
メリットをお伝えするとこうなります。

「食器洗いの手間が省けますよ」
「手洗いするより、水道代も少なくてすみますよ」

これはこれでもちろん正しいことなのですが、
これだけだと説得になってしまいます。


実は、セールスにて相手に本当に伝えるべきは
『ベネフィット』です。

ベネフィット(benefit) → 利益

食器洗い乾燥機の例で言うと、
ベネフィットをお伝えした場合はこうなります。

「食器洗いの手間が省けるから、
その分お子さんと触れ合う時間が増えますね!」

「いつも食器洗ってる時間を
大好きな読書の時間に充てれますね!」

「これでもう、洗剤で奥様の
きれいな手が荒れなくてすみますね!」

商品を使うことによって、
あなたにどんな利益があるのか?ということを
具体的に、イメージできるように
説明してあげなければいけないのです。

セールスにおいての両面呈示とは、

× → メリットとデメリットの説明

○ → メリットと 『ベネフィット』 とデメリットの説明

なのです。

相手が欲しているベネフィットを伝え、
イメージしてもらうことができれば、
成約率は格段にアップすることでしょう。







2018年1月14日日曜日

話を聴く姿勢

セールスの仕事は客の不満や困っていることを
深く聴くことです。

傾聴しなければいけません。

一般的に、人は自分より年齢が上、
役職が上、学歴が上、経験が上の人には
あまり話を聞いてもらえない、
と無意識に考えています。

セールスにおいても、
相手には自分なんかの意見を
ちゃんと聞いてもらえないのではないか、
という不安が無意識下にあるのです。

ですから、セールスでは相手に対して、
あなたに関心があるということを
態度で示す必要があります。


ポイントは3つです。


1、うなずき

大きく1回、小さく2回が基本です。
1回目のうなずきで合意、
2回目以降のうなずきで理解と興味を表します。


2、オープンな態度

手のひらを見せたり、
両足を少し開いたりすることで
相手に心を開いて、手の内をすべて
明かしていることを暗示します。


3、、アイコンタクト

視線を合わせることで、
相手に敬意を払っていることを
アピールできます。

心理学的にも対人関係が円滑になると
実証されています。


傾聴していることを態度で示すことによって
相手は本音を語ってくれるようになるのです。






2018年1月13日土曜日

人は感情で物を買う

セールス、マーケティングの世界では、
人は感情でモノを買うと言われています。

『感情で物を買い、その後理屈で正当化する』
ということです。

『ニーズ』『ウォンツ』という言葉は、
現代マーケティングの第一人者、フィリップ・コトラーが
使ったのが始まりだと言われています。


『ニーズ』→ 必要なもの。

人が必要なものを買うときのパターンは、
感情 → 行動 → 論理です。

『ウォンツ』→ 欲しいもの。

人が欲しいものを買うときのパターンは、
感情 → 論理 → 行動です。


いずれもスタートが『感情』だということが
重要なのです。


マーケッターのマーク・ジョイナーは、
人がモノを買うときは、
以下のことを心の中で
自問自答していると述べています。


1、何を売っているのか?
2、いくらなのか?
3、信用できるか?
4、自分に何の得があるのか?


1~3は理屈、論理についての質問であり、
4が感情についての質問です。

ベネフィットを感じられるように
伝えなければならないのです。


人は、

①快楽を求める

②痛みから逃れる

ために行動します。


行動する原因は2つしかありません。

しかも、人は快楽を求めるということよりも、
痛みから逃れることほうが行動を起こしやすいと
言われています。

セールスでは、相手の痛みの感情をえぐり
強烈な苦痛を感じさせ行動させています。

相手に痛みや苦痛を認知させ、
早くその痛みから解放されるように
時にセールスでは、相手のの痛みを
より深くえぐらなければならないのです。


『鬼手仏心』


外科医は手術の際、
残酷なほど大胆にメスを入れますが
それは患者を何としてでも救いたいという、
やさしく温かい心よるものです。

仏の心を持ちながら、鬼の手のごとく
相手の苦痛にメスを入れる。


相手に痛みや苦痛を認知させ、
早くその痛みから解放されるように
時にセールスでは、相手のの痛みを
より深くえぐらなければならないのです。




2018年1月11日木曜日

片面呈示と両面呈示

商品説明は、セールスの仕事の一つです。

どんな商品にもメリット・デメリットがあります。
商品説明の仕方としては2通りです。

『片面呈示』・・・ メリットだけ説明。
『両面呈示』・・・ メリットとデメリットを説明。

一般的には、両面呈示の方が
説得効果が高いと言われています。

が、実は相手によって使い分ける方が
より効果的なのです。

『低学歴』の人には『片面呈示』が良い。
『高学歴』の人には『両面呈示』が良い。

覚えておいて損はないでしょう。





2018年1月10日水曜日

目線の動きと親近効果

人は視線を無意識に左から右へと動かします。

ホームページを見るときの目の動きは
まず左上、そこから水平に右に移動します。

このような目の動きからコンテンツの配置は
目についてほしいものは画面左上へ、
何かクリックしてほしければ画面右上へ
というのが基本と言われています。


さて、親近効果という心理メカニズムがあります。

人は最後に目にしたものを重要視する、
好きになるという心理作用のことです。


『人の無意識な視線の動き』と
『親近効果』の心理作用をを利用して
提案資料の並べ方を工夫し、
成約率を高めることができます。

たとえば、A、B、Cのプランがあったとして、
成約したいのはBプランだったとします。

そのときに、Bプランの資料を相手の
右側になるように並べてください。

相手は、A、B、Cプランの説明を聞いた後、
じっくり資料を眺めます。

目線は『左から右』。

商談の最後の最後に、相手に入る情報は、
最後に説明したプラン・・・ではなくて、
机の右側にあるBプランなのです。

『親近効果』によりBプランが
選択される確率が少し上がります。

このように僅かでも成約確率の高い方法を選択することが
長い目で見て有効となってくるのです。




2018年1月9日火曜日

ノンバーバルコミュニケーション

顔の表情や身振り手振り、声のトーンなど
言葉以外の手段を使って意志や感情を伝えることを
ノンバーンバル(非言語)コミュニケーション
といいます。

ボディランゲージです。

海外で言葉が通じなくても身振り手振りで
何とかなったという話はよく聞きます。

ボディランゲージで、自分の意思や感情を相手に
伝えることができます。

逆に考えると、ボディランゲージには、
自分が気付かないうちに体が勝手に動き
自分の意志や感情を知らず知らずのうちに
周囲に明かしているということにもなります。

このような何気ないしぐさの意味を知り、
観察することで相手が何を考えているかが分かり、
自分の伝えたいことを言葉以外で伝えることもできるのです。


では、体の中で一番正直なのはどこでしょうか??

人が本当にしようとしていることを一番物語る部分、
その人が考えていることを正確に反映する
ノンバーバルシグナルを探すべき場所。

それは『足』です

私たち、人間の祖先がアフリカの草原で
直立歩行を始めて以来『足』が世界中に人間を運びました。

人間が言葉を話すようになる前から
『足』は周りの危険から逃げ、
時には危害を加えるものに向かって
蹴ることで攻撃したりしてきました。

『足』は人間が生きる残るため、
立ち止り、逃げ、そして攻撃し続けてきたのです。

無意識の反応です。


『足』は正直に人の感情を表します。


片足のつま先が上に向いている・・・うれしい、上機嫌

片足のつま先が出口に向いている・・・立ち去りたい

片足のかかとが浮いている・・・立ち去りたい

両足を広げている・・・縄張りの主張

足を交差させている・・・心地良い

両足が固い、固定されている・・・不快



足は最も正確に人の感情の情報を伝えています。

足を注目することで相手の音無き言葉が
聞こえてくるようになるでしょう。





2018年1月8日月曜日

ミラーリングのタイミング

ミラーリング

信頼し合っている者、
安心し合っている者同士は、
その行動は無意識に同化する。


心理学上の姿勢反響現象です。

信頼感・安心感がある→同じような行動をとる
同じような行動をとる→信頼・安心を得ることができる

というテクニックが、ミラーリングです。

相手が手をあげたら自分も手をあげ、
相手が足を組んだら自分も足を組むのです。


さて重要なのは、いつ使うか?ということです。
これを間違うと気持ち悪がられてしまいます。

さりげなく使わないといけないのですが
さりげなくといわれても抽象的で
なかなか難しいのではないでしょうか?

自分なりにさりげなくミラーリングしても
違和感を持たれてしまいます。

そして、一度違和感を持たれてしまうと、
改めて信頼・安心を築くのは難しくなります。

相手に気づかれない必要があるのです。


ここで、相手に気づかれないときとはいつなのでしょうか?

それは、相手の顕在意識が内側にある状態のときであり、
潜在意識が外側にあるときになります。


たとえば、あなたが商品について説明しているとき、
相手はあなたの話を聞き、商品を見ています。

そのとき、相手の顕在意識は商品、
つまり外側にあります。

自分以外の外部の何かに意識が向いている状態です。

このときに、いくらさりげなくミラーリングしても
相手は違和感に気づきます。


逆に相手に、「好きなものは何ですか?」
「お昼に何を食べましたか」などの
質問をすると相手は考えます。

この場合相手の顕在意識は内側に行きます。

う~ん・・・って考えている数秒、
周りの景色が見えているようで
見えていない状態なのです。


この瞬間、相手の潜在意識が外側に出ています。

そしてこの瞬間がミラーリングのタイミングになります。

相手があごに手を当てたら、
あごに手を当ててください。

多少わざとらしくても気づかれません。


ミラーリングは相手の潜在意識に
働きかけなければなりません。

潜在意識を相手の外側に出す働きかけが、
このテクニックを強力なものにするのです。






2018年1月7日日曜日

インボルブメント効果

『インボルブメント効果』という心理作用は
セールスにおいてとても強力に働きます。
自我関与効果ともいわれます。

『インボルブメント効果』とは、
人は、自分が関与したものや
体験したものを好きになる、
という効果のことです。

たとえば、高校野球では地元を応援するとか、
プロ野球の試合を見に行って、ある選手にサイン貰ったら
その人のファンになっってしまった、などです。

その効果を利用しているのが
試供品や試食などです。


しかし、なかなか体験してもらうことの
できない商品もあります。

保険や住宅などがそれに当たります。
即断即決できず、イメージがしづらい商品です。


そういう場合は、
商談や契約後の打合せの疑似体験を
してもらうのが効果的です。

商談の疑似体験をすることで
次回商談のアポにつながりやすくなります。

また、契約後の打合せを疑似体験することで、
契約への意識が高まります。

特に効果的なのは、
実際に商品を使っている方の
見積書や打ち合わせ資料を見せる、
ということです。

客にとっては、いきなり提案されるより
ハードルが低いですし、人のことも気になっていますので
商談へのアポイントも入れやすいでしょう。


参加、体験してもらうことで人を惹きつける
インボルブメント効果の心理作用は、
正しく使えばとても強力なテクニックになるのです。




2018年1月5日金曜日

相手の興味を惹きつける方法

セールスでは、相手にとって本当に役立つ情報を
正しく 伝える必要があります。

そして相手に話を聞いてもらうには、
興味を引く必要があります。

相手の興味を惹きつける一つとして、
認知的不協和の心理作用を利用する方法があります。


『認知的不協和』

人は、相反する感情を抱えた状態を不快に思い
そして、人はその不快な状態を解消しようと
自分の感情をコントロールする


人は自分が一番正しいと思っています。

だから相手がわざと反論してしまうような言葉を投げかけると
心理的なバランスが崩れ、こちらに興味を示します。

売れる人は意識的にこの心理作用を使って
相手の興味を引いています。

興味を引いたあとは、相手が納得できる理由を
伝えなければなりません。

『認知的不協和』+『納得できる理由』はセットです。


具体的な方法は3つです。

① 肯定

『うちの会社、バカばっかりなんですよ。
・・・まぁバカはバカでも、仕事バカですけどね。
だから安心してください。』

② 否定

『○○には○○が大事!って言われますけど、
あれ実は間違いなんですよ。』

③ 禁止

『ローンのことが知りたいときに
銀行に相談するのだけは絶対にしないでくださいね。』


セールスの前に興味を引き、
相手に聞く態勢になってもらうことは
とても重要なことなのです。




2018年1月4日木曜日

感覚へのペーシング

セールスでは、相手に『伝える』技術が必要不可欠です。
伝わらなければ意味がありません。

相手に言葉を受け入れいただくために
必要なのは『信頼』。

信頼関係が気付けてないと、客は壁を作ります。

そして、信頼関係は無意識レベルで構築しなければいけません。

無意識レベルで新羅きい関係を構築するための
効果的な方法は『ペーシング』です。

相手との類似点を意識的に作り上げることによって
壁を無くすテクニックです。


心理学やセールス本などは以下のようなことが書いてあります。

ゆっくり話す、動くお客様にはゆっくりと。
テキパキ話す、動くお客様にはテキパキと。
呼吸を合わせなさい。
仕草をマネなさい。

このように、行動のペースを合わせることは
とても効果的ですが、気づかれたりすると意味がありません。


『ペーシング』では、もっと簡単で重要なことがあります。
それは、相手の『感覚』に合わせることです。

人は五感を使って物事を判断します。
特に、そのうちの3つ、『視覚』、『聴覚』、『身体感覚』で
ほとんどのことを判断すると言われています。


相手が

『今、どの感覚にアクセスしているのか』

を知り、

『その感覚に合わせて対応』

する、ということがとても重要なのです。


だから、相手が、
『視覚』にアクセスした質問をした時などは
『視覚』で答えてあげなければなりませんし、
『聴覚』にアクセスして行動してるのなら、
『聴覚』を意識した対応をする必要があります。


セールスでは客が、今現在どの感覚にアクセスしているのかを
見極める必要があります。


そしてそれは、お客様の態度や発する言葉などから、
瞬時に判断しなければなりません。


『視覚』、『聴覚』、『身体感覚』をあらわす、
典型的な言葉がありますのでそれをご紹介します。


『○○なイメージ』 ・・・ 『視覚』
⇒ まずは何かお見せしましょう。

『いくら?』、『メリット・デメリット』 ・・・ 『聴覚』
⇒ 主張には明確な理由をつけて合理的に答えること。

『なんとなく○○な感じ』 ・・・ 『身体感覚』
⇒ 体験していただきましょう。


相手のペースを理解し、信頼いただく。
セールスをする上で、とても重要なスキルなのです。





2018年1月3日水曜日

人が記憶をしやすい状態


人は7つの情報しか記憶できない。

アメリカの心理学者、ジョージ・ミラーは、
人間は7つ(±2)の情報しか記憶できない
と指摘しました。

7(±2)という数字は
マジックナンバーと言われています。

セールスでは、客に伝えたい事が
いっぱいあります。

しかし、客は言われたことを忘れてしまいます。

7つどころか、たった1つの伝えたいことも
記憶してもらえません。

しかも、忘れるだけならいいのですが、
一度記憶したことが歪んでしまうこともあります。

人は皆、人の話は聞いていません。
聞いていたとしても忘れてしまうのです。


記憶するということにについて。

短期的なものは、脳の中の
『海馬』というところで記憶されます。

これは短期的なものなので、
繰り返すことで大脳新皮質に
長期記憶として記録され、
そして、それがいつしか真実となります。

しかし、1回聞いただけの
記憶があいまいな状態のときに、
誤った情報を記憶をしてしまうと、
その誤った記憶が記録され、
その人の真実となってしまいます。

だから、相手に本当に大事なことを
理解してもらうためには、言葉を変えて
少なくとも3回以上繰り返す必要があります。

短期記憶でなく、長期記憶してもらうのです。


さらに、相手がある状態になっているとき、
3回繰り返すとさらに効果的です。

その状態とは『ワクワク』状態です!

実は、人間は『主体性(ワクワク状態)』を
持っているときでないと記憶できないと
いわれています。

人の脳は、興味しんしんでワクワクしてる時は、
脳の神経細胞(ニューロン)と
神経細胞(ニューロン)の間の隙間、
シナプスにθ波が出ています。

この時が、人が記憶しやすい状態の時なのです。


だから、営業として客に伝えたいことがある場合は、
その商品にお客様の興味を引き付け、
ワクワクしていただくことが重要です。

そして、それに関連してどうしても伝えたいことを
3回以上繰り返すと極めて高い効果があります。

そこでようやく、お客様の脳に記憶され、
やがてそれが真実となるのです。

心理学と人間の脳の仕組みが分かれば、
自然なアプローチの仕方が分かります。

そしてお客様の本音がわかり、
お客様の迷いを解決することができるのです。





2018年1月2日火曜日

客の意識レベル

営業の仕事とは

①客に来てもらう
②客の信頼を得る
③客に買ってもらう

ということです。

中でも①がもっとも難しくて
お金もかかりますが、
これはセールスというより
マーケティングになります。

営業は、来場されたお客から
どうやって信頼を勝ち得るか?
が、重要になってきます。

そのためには初回面談が重要になります。

初回面談時に、客がどのような
意識レベルでいるのか、判断しなければ
ならないのです。


客の意識レベルには4段階あります。

それが『OATH』。
『OATHの法則』と言われています。

O・A・T・Hとは

『Oblivious』
『Apathetic』
『Thinking』
『Hurting』

の頭文字をとったものです。


Oblivious = 無知

お客様が何も分かっていない状態。

たとえば、メタボの人が自分が
危険な状態だと気づいていない状態です。

Apathetic = 無関心

わかっているけど気にしていない状態です。
メダボの人が、分かっているけど食べちゃう、みたいな状態です。

Thinking = 考慮

真剣に考えている状態です。
メタボを理解し、改善策を考えている状態です。

Hurting = 苦痛

苦しんでいます。
メタボすぎてもう明日死にます、
と医者に言われて焦っている状態です。


初回面談で重要なのは、
客の意識レベルを見極めることです。

そうすれば、客への正しい接客方法がわかります。

O→A→T→H と進むに従って
売るのは簡単になります。

『O』の意識レベルの人には、
1から説明しなくてはいけません。

逆に『H』の意識レベルの人に対して、
1から説明しても無駄です。

そんなこと分かってるから
早く提案してくれよ!
となります。

お客様の意識レベルに合った
接客・提案をするように心がけましょう。





2018年1月1日月曜日

はじめに

こんにちは、棒屋です。

私は、これまで15年間、住宅営業職に携わってきました。

その過程で学んだことを残しておきたいと思い、
このブログをはじめました。

人は社会的影響により、時に不思議な行動をします。

デパートで試食をすれば買わないと申し訳ない気持ちになり、
欲しくもない高価な服を買い、奇妙な宗教に嵌るのです。

営業の場においても同様に社会心理学の原理が
強力に働いています。

人は社会心理学によって動かされ、説得されて
『イエス』と言ってしまうのです。

売れる営業になるために、
騙される消費者にならないために、
子のセールステクニックがお役に立てれば幸いです。





棒家 哲(ぼうや さとし)自己紹介①

はじめまして、

棒家 哲(ぼうや さとし)

と申します。

私は住宅営業+マネージャーの仕事をしておりまして、
これまで多くの方に家を建ててもらいました。

いろんなお客さんがいました。

いっぱい失敗もしました。

そんな私の営業経験や学んだことをを
記録していきたいと思い、こうしてブログを
立ち上げた次第です。


私には小さいころからの夢がありました。


庭付き一戸建ての丈夫な家に住むことです。

そしてその夢は、もうすでに叶っています。

何億円も稼いで大金持ちになりたい、とか
プロ野球選手になりたい、とか
大きい会社の社長になりたい、とか
有名になりたい、とか、
そんな夢を抱いたことは一度もありませんでした。

自分の家がほしい。

小さいころから、毎日このことばかりを
考えていました。

私が小さいころに住んでいた家は、
ボロボロの市営住宅でした。

父、母、私、妹が2人の5人で暮らしていました。

6帖の部屋×2、キッチン、トイレ、です。

お風呂はありません。

私はこの家が嫌いで嫌いで仕方ありませんでした。

家族は好きでした。

父は働き者で、母は優しく、暴力を受けるとか
育児放棄をされるとか、浮気どうのこうの
みたいな話は一切ありません。

ただ、自分の家が嫌い。大嫌い。


物心ついたときから思っていましたし、
劣等感の塊でした。

小学校4年生くらいになると友達の家に
遊びに行ったり、遊びに来てもらったり
してたんですが、そのたびに、
「うちって狭いなぁ、汚いな」
と思っていました。

母親はきちんと掃除していました。

でも私は、 「汚い」 と感じていたんです。

好きな女の子に自分の家を教えるなんて
絶対にできませんでした。

6年生の時に、図工の宿題で自分の部屋の
絵を描いて持ってくる、という宿題がでました。

市営住宅ですから、私の部屋なんてありません。

私と妹2人の3人で6帖の部屋をタンスで
仕切っていました。

父のお古の事務机がありまして、それを
私個人のスペースにしていました。

部屋がありませんので、仕方なく
自分の机の周りの絵を描いて出したところ
なぜか先生に褒められて、
それが逆に無性に悲しく、泣いてしまいました。

毎晩、自分の部屋を持つ夢を見て、

そして、泣いていました。


部屋をもらえた! やったー!! と思っても
目が覚めたらいつもの部屋。

ボロボロの市営住宅ですから、当然、
壁も薄いわけです。

うちの隣は50代くらいの夫婦が
住んでいました。

毎晩、ものすごい勢いで喧嘩です。

隣の奥さんは、いかにもきつめ、といった顔立ち。

いつもタバコを吸っていましたから、
ガラガラで低い声。

だから怒鳴り声がどっちもおっさんなんですね。

ガシャーン! ドスーン! 
でおっさんの怒鳴り声×2。

大人のマジ喧嘩というのは、子どもにとって
恐怖以外の何物でもありません。

父親は帰りが遅かったので男は私一人、
なんかあったらどうしよう・・・
と毎日不安な気持ちでした。

だから、一軒家に住みたい、そう思ったのは
小学生のときですね。

おそらく妹二人も同じ夢を見ていたのでは
ないかと思います。

つづく。