こんにちは、棒家です。
モデルハウスに来場されたお客さんに、
よくこう言われました。
『性能の話は、もううんざりなんですよね』
とくに奥さんが言ってました。
大手住宅会社のモデルハウスが建ち並ぶ
総合展示場では、小奇麗な営業マンが自社のウリを
矢継ぎ早に捲し立てます。
そもそもお客さんが、
モデルハウスに見学に行く目的は?
接客する際にはお客さんの気持ちを
まずはしっかりと理解しなければいけません。
■家賃がもったいない
■収納が足りない
■狭い
■寒い
■結露がひどい
■隣の部屋の音がうるさい
・・・
などなど、いろんな理由で、
お客さんは家が欲しくなります。
そして、本を買ってみたり、インターネットで
情報を収集してみたり、資料請求してみたりして、
いよいよ勇気を出してモデルハウスを訪れます。
■本を買っても写真しか見ない
■インターネットでも画像しか見ない
■資料請求しても読まない
お客さんは、時間をかけていろいろ調べてる
つもりのようですが、全く分かっていません。
実はこれ、分かっていないというか、
お客さんが本当に欲しい情報が
どこにも載っていないのです。
お客さんはモデルハウスに、
何を求めて来場するのでしょうか?
お客さん自身は、分かっているのですが
そのことを言語化できません。
総合展示場では、お客さんの気持ちを完全無視して、
営業マンが、上司から指導を受けた、
あるいは、ロープレで練習した
自社のウリを一方的に話してきます。
モデルハウスの間取りの説明を受けてた後、
構造、性能の難しい話を延々聞かされるのです。
構造・性能の話、とても重要です。
必ずお客さんには伝えなくてはいけません。
しかしその前に、お客さんが知りたいと思っていることを
先回りして教えてあげたうえで、構造・性能の話に
つなげていかなければならないのです。
モデルハウスに来るお客さんは、
こう思っています。
■私たちの理想の家(間取り)ってどんなのかな?
■私たちの理想の家(間取り)は実現できるのかな?
■それはいくらかな?
このことについて、まずは答えてあげないと
いけません。
『性能の話は、もう、うんざり!』
と言われたら、こう答えてあげましょう。
「それは、たいへんでしたね。
○○さんは、理想の家が建てれるのか、
そしてそれがいくらなのか、が
知りたいだけなんですよね?」
きっとお客さんの心をつかむことが出来ると思います。
自社のウリの話は、
お客さんには必ず伝えなければいけません。
多くの営業マンは、構造・性能の話をする
”場所”に来たら、ステレオタイプ的に
話し始めてしまうのではないでしょうか。
それではお客さん、置いてけぼりです。
自社のウリを話せるムードにしないと
いけないんですね。
では、その方法についてお話していきます。
まず、初めてお会いしたお客さんから
信用を得ないといけません。
「この人、悪い人じゃないな」
という印象を持ってもらう必要があります。
お客さんが営業マンと会話することに
了解している状態です。
この状態に持っていくために営業マンがすべきことは
5つあります。
■自己紹介
まずは、自己紹介です。
あんただれ? 状態では、
まともに会話してくれません。
■社会的に望ましい態度、身なり
服装に清潔感がある、あいさつができるなど
基本的なことです。
たまに営業マンで、姿勢が悪い人がいます。
腕を後ろに組んで、片足に重心をかけて
ダラっと立っている人…ダメですよね。
姿勢よく立ってください。
かかとをつけると自然に姿勢が良くなります。
■返報性の原理
良いことをすればお返ししたくなる
こちらから情報を提供すれば
お客さんも情報を返してくれます。
■類似性の法則
相手と自分の意見や態度が一致すると、
好かれるという法則
■ザイアンスの原理
人は、単純接触を繰り返せば繰り返すほど、
相手に好感を持つ
以上、5つです。
お客さんが営業マンと会話することに
了解している状態になっていないのであれば、
自社のウリを話すタイミングではありません。
お客さんから信用を得たとしても、
まだダメです。
次は、”信頼” を得なければいけません。
「この人に頼ったらいいことあるかも…」
状態にしなければいけないのです。
お客さんが営業マンに相談することを
了解している状態です。
営業マンがすべきことは4つ。
■中立的な対応
売り込み臭は、完全に消して、
お客さんの質問に一般論で答えていきます。
公のデータなどを使って客観的に
説明するのも効果的です。
■過去の実績
家を建ててくれたお客さんの事例やアンケートなどを
開示して安心感を与えます。
みんながやっている、という安心感は大きいです。
■問題点を教えてあげる
お客さんは様々な不安をかかえているんですが、
それを言葉にできません。
営業マンがしっかりと言語化してあげましょう。
■認知不協和
人は、自分の考えと矛盾する事実を突きつけられた時に
不安を覚え、そのどちらかを打ち消す行動に出ます。
「住宅ローンはについては、銀行に言いてはいけませんよ!」
みたいな投げかけはいかがでしょうか。
以上4つ。
これらのテクニックを駆使して
お客さんが、営業マンに相談したいという気持ちになるよう、
そして、自発的に動き出すようにしていきましょう。
お客さんが、自己開示を始めたら、
了解が取れていると思ってよいでしょう。
最低限ここまでやってから、お客さんに伝えるべき話を
していってはいかがでしょうか。
きっと ”聞く耳” を持ってくれるはずです。