2018年10月31日水曜日

住宅営業 お客さんは何を知りたいのか?

こんにちは、棒家です。

モデルハウスに来場されたお客さんに、
よくこう言われました。

『性能の話は、もううんざりなんですよね』

とくに奥さんが言ってました。

大手住宅会社のモデルハウスが建ち並ぶ
総合展示場では、小奇麗な営業マンが自社のウリを
矢継ぎ早に捲し立てます。

そもそもお客さんが、
モデルハウスに見学に行く目的は?

接客する際にはお客さんの気持ちを
まずはしっかりと理解しなければいけません。

■家賃がもったいない
■収納が足りない
■狭い
■寒い
■結露がひどい
■隣の部屋の音がうるさい
・・・

などなど、いろんな理由で、
お客さんは家が欲しくなります。

そして、本を買ってみたり、インターネットで
情報を収集してみたり、資料請求してみたりして、
いよいよ勇気を出してモデルハウスを訪れます。

■本を買っても写真しか見ない
■インターネットでも画像しか見ない
■資料請求しても読まない

お客さんは、時間をかけていろいろ調べてる
つもりのようですが、全く分かっていません。

実はこれ、分かっていないというか、
お客さんが本当に欲しい情報が
どこにも載っていないのです。

お客さんはモデルハウスに、
何を求めて来場するのでしょうか?

お客さん自身は、分かっているのですが
そのことを言語化できません。

総合展示場では、お客さんの気持ちを完全無視して、
営業マンが、上司から指導を受けた、
あるいは、ロープレで練習した
自社のウリを一方的に話してきます。

モデルハウスの間取りの説明を受けてた後、
構造、性能の難しい話を延々聞かされるのです。

構造・性能の話、とても重要です。

必ずお客さんには伝えなくてはいけません。

しかしその前に、お客さんが知りたいと思っていることを
先回りして教えてあげたうえで、構造・性能の話に
つなげていかなければならないのです。

モデルハウスに来るお客さんは、
こう思っています。

■私たちの理想の家(間取り)ってどんなのかな?
■私たちの理想の家(間取り)は実現できるのかな?
■それはいくらかな?

このことについて、まずは答えてあげないと
いけません。

『性能の話は、もう、うんざり!』

と言われたら、こう答えてあげましょう。

「それは、たいへんでしたね。
 ○○さんは、理想の家が建てれるのか、
 そしてそれがいくらなのか、が
 知りたいだけなんですよね?」

きっとお客さんの心をつかむことが出来ると思います。

自社のウリの話は、
お客さんには必ず伝えなければいけません。

多くの営業マンは、構造・性能の話をする
”場所”に来たら、ステレオタイプ的に
話し始めてしまうのではないでしょうか。

それではお客さん、置いてけぼりです。

自社のウリを話せるムードにしないと
いけないんですね。

では、その方法についてお話していきます。

まず、初めてお会いしたお客さんから
信用を得ないといけません。

「この人、悪い人じゃないな」

という印象を持ってもらう必要があります。

お客さんが営業マンと会話することに
了解している状態です。

この状態に持っていくために営業マンがすべきことは
5つあります。

■自己紹介

まずは、自己紹介です。

あんただれ? 状態では、
まともに会話してくれません。

■社会的に望ましい態度、身なり

服装に清潔感がある、あいさつができるなど
基本的なことです。

たまに営業マンで、姿勢が悪い人がいます。

腕を後ろに組んで、片足に重心をかけて
ダラっと立っている人…ダメですよね。

姿勢よく立ってください。

かかとをつけると自然に姿勢が良くなります。

■返報性の原理

良いことをすればお返ししたくなる

こちらから情報を提供すれば
お客さんも情報を返してくれます。

■類似性の法則

相手と自分の意見や態度が一致すると、
好かれるという法則

■ザイアンスの原理

人は、単純接触を繰り返せば繰り返すほど、
相手に好感を持つ

以上、5つです。

お客さんが営業マンと会話することに
了解している状態になっていないのであれば、
自社のウリを話すタイミングではありません。

お客さんから信用を得たとしても、
まだダメです。

次は、”信頼” を得なければいけません。

「この人に頼ったらいいことあるかも…」
状態にしなければいけないのです。

お客さんが営業マンに相談することを
了解している状態です。

営業マンがすべきことは4つ。

■中立的な対応

売り込み臭は、完全に消して、
お客さんの質問に一般論で答えていきます。

公のデータなどを使って客観的に
説明するのも効果的です。

■過去の実績

家を建ててくれたお客さんの事例やアンケートなどを
開示して安心感を与えます。

みんながやっている、という安心感は大きいです。

■問題点を教えてあげる

お客さんは様々な不安をかかえているんですが、
それを言葉にできません。

営業マンがしっかりと言語化してあげましょう。

■認知不協和

人は、自分の考えと矛盾する事実を突きつけられた時に
不安を覚え、そのどちらかを打ち消す行動に出ます。

「住宅ローンはについては、銀行に言いてはいけませんよ!」
みたいな投げかけはいかがでしょうか。

以上4つ。

これらのテクニックを駆使して
お客さんが、営業マンに相談したいという気持ちになるよう、
そして、自発的に動き出すようにしていきましょう。

お客さんが、自己開示を始めたら、
了解が取れていると思ってよいでしょう。

最低限ここまでやってから、お客さんに伝えるべき話を
していってはいかがでしょうか。

きっと ”聞く耳” を持ってくれるはずです。